1.昇温性能試験

試験条件(例)

ⅰ)対象物 ガラス質溶融スラグ(再溶融・スラグ化分離試験)
ⅱ)試験装置 円筒型溶融試験装置
ⅲ)燃料 A重油:水=85:15~88:12のエマルジョン燃料(乳化剤なし)
ⅳ)測温装置 炉出口:熱電対(型番:山里産業製 THERMOCOUPLE B熱電対(+脚Pt・Rh30% -脚 Pt・Rh6%)シングルエレメント 素線径φ0.5 JIS CLASS 3 (対象温度:~ 1700℃))
ⅴ)測定日 2020年10月9日(金)10時~12時15分
ⅵ)測定場所 新利根研究所(稲敷市)

温度測定結果(例)

温度-燃料時系列推移グラフ
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2.溶融・金属回収試験

試験条件(例)

ⅰ)対象物 都市ごみ焼却炉の炉底灰(スチール空缶、アルミ空缶・電灯線含む)
ⅱ)試験装置 NK-100
ⅲ)燃料 A重油:水=85:15のエマルジョン燃料(乳化剤なし)
ⅳ)測温装置 炉出口:熱電対((型番:山里産業製 THERMOCOUPLE B熱電対(+脚Pt・Rh30% -脚 Pt・Rh6%)シングルエレメント 素線径φ0.5 JIS CLASS 3 (対象温度:~ 1700℃))
ⅴ)測定日 2020年11月10日
ⅵ)測定場所 新利根研究所(稲敷市)

炉底灰溶融試験後の水砕スラグ外観(例)

対象物:都市ごみ焼却炉の炉底灰、 炉内温度:1700℃

エマルジョン燃料バーナー溶融炉の炉底灰溶融物   溶融物中に共存する金属(球形等の塊状)

炉底灰溶融試験後の水砕スラグ中の微量元素

*現在、工事中です
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3.エマルジョンバーナー式溶融炉連続運転試験

試験条件(例)

ⅰ)対象物 焼却灰・汚泥
ⅱ)試験装置 小型焼却灰高温溶融炉NK-l000
(寸法:長さ5200mm×幅2000mm×高さ4500mm、重量:23ton)
ⅲ)燃料 廃油/再生油/A重油のエマルジョン燃料(約60リットル/t-焼却灰)
ⅳ)測温装置 山里産業製 THERMOCOUPLE B熱電対(+脚Pt・Rh30% -脚Pt・Rh6%) シングルエレメント 素線径φ0.5 JIS CLASS 3 (対象温度:~1700℃)
ⅴ)燃焼試験日 1998年7月19日
ⅵ)運転期間※ 1998年9月1日~12月9日の100日間
ⅶ)計量検査日1 1998年10月14日
ⅶ)計量検査日2 1999年3月24日 (ダスト濃度、一酸化炭素濃度、ダイオキシン濃度の測定)
測定場所 人吉球磨広域行政組合 山江ごみ処理場内

※運転期間には、炉内点検のための炉休止日も含む

連続運転試験結果(例)

1)事前の燃焼試験結果(7月9日)

ⅰ)対象物 焼却灰・汚泥
ⅲ)燃料 廃油/再生油/A重油のエマルジョン燃料(約60リットル/t-焼却灰)

詳細データはこちら

2)100日間の運転結果

9月 10月 11月 12月 合計
(a)代表的な炉内温度(℃) 1350~1396 1300~1320 1327~1364 1318 -
(b)運転時間(h) 490 240 362 88 1,180
(c)焼却灰搬入量(kg) 29,180 17,860 40,500 8,220 95,760
(d)スラグ発生量(kg) 12,380 14,340 23,390 5,120 55,230

詳細データはこちら

3)計量検査記録1(1998年10月14日)

a)計量時の運転条件
(a)代表的な炉内温度 1,348℃~1,387℃(灰溶融時)
(b)運転時間 6.5時間(溶融開始時刻 10:00、溶融終了時刻 16:30)
(c)焼却灰投入 1,376kg (平均処理速度:212 kg/h)
(d)スラグ発生量 950 kg(同:146kg/h)
b)排ガス(煙突)での代表的な分析結果 (排ガス量は乾物:2,600 m3N/h、湿物:3,100 m3N/h)
位置 窒素酸化物
(cm3/m3N)
硫黄酸化物
(m3N/h)
塩化水素
(mg/m3N)
カドミウム
(mg/m3N)

(mg/m3N)
クロム
(mg/m3N)

(mg/m3N)

(mg/m3N)
総水銀
(mg/m3N)
排ガス(煙突) 30 0.16 440 0.41 29 0.21 0.59 4.5 0.048
c)代表的な成分分析結果
対象 外観 成分
SiO2 (重量%) CaO (重量%) K2O (重量%) Na2O (重量%) MgO (重量%) Al2O3 (重量%) Cd (mg/kg) As (mg/kg) 総Hg (mg/kg) Pb (mg/kg) Cr6+ (mg/kg) Cr (mg/kg)
焼却灰 黒色粉末状 37.0 0.67 2.0 1.0 18.0 8.8 1.0 0.83 740 280
溶融スラグ 黒色顆粒状 57.0 8.7 0.72 4.4 0.96 6.6 120 250

-:定量下限以下で未検出

d)代表溶出試験結果
対象 溶出液
pH
成分
Cd
(mg/L)
CN
(mg/L)
Cr6+
(mg/L)
Hg
(mg/L)
R-Hg
(mg/L)
PCB
(mg/L)
As
(mg/L)
Se
(mg/L)
有機燐
(mg/L)
Fe
(mg/L)
Cu
(mg/L)
DXN
(mg/L)
焼却灰 9.8(30℃)
溶融スラグ 9.8(30℃)

-:定量下限以下で未検出

e)その他の成分分析結果
測定値
焼却灰の熱灼減量
(DXN)濃度
12.6%
ダイオキシン類
スラグ中 2012年当時に測定したDXNは全て検出下限以下
排ガス 同上

※1,2-ジクロロエタン、1,1-ジクロロエチレン、1,1,1-トリクロロエタン、1,1,2-トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、1,3-ジクロロプロペンが、全て検出下限以下

詳細データはこちら

4)計量検査記録2(1999年3月24日)

ⅰ)予想される炉内温度 約1,350℃(灰溶融時)
ⅱ)運転時間 6時間(溶融開始時刻 10:00、溶融終了時刻 16:00)
ⅱ)排ガス量(湿り) 6,900 m3N/h
ⅲ)排ガス温度 40℃
ⅳ)排ガス組織 水分量 約6.8 %
酸素濃度 平均18.0 %
一酸化炭素濃度 定量下限値未満
ⅴ)ダスト濃度 0.33 mg/m3N
ⅵ)ダイオキシン類毒性等量*
Total PCDDs 0.47 ng-TEQ/m3
Total PCDFs 1.50 ng-TEQ/m3
Total PCDDs+ PCDFs 2.0 ng-TEQ/m3

詳細データはこちら

4.エマルジョンバーナーのオフガス計量試験

試験条件

ⅰ)試験方法 開放型オーブン内での燃焼試験
ⅱ)試験装置 エマルジョン燃料装置KG-ES500 装置外観はこちら
オフガス計量装置一式 装置外観はこちら
ⅲ)燃料 ①A重油のみ(参照用)
②A重油:水道水=87:13のエマルジョン燃料
ⅳ)測定日 2009年3月6日
ⅴ)測定場所 日本環境保全(株)新利根研究所

燃費測定結果

a)計量時の運転条件

燃料種類 ①A重油のみ ②エマルジョン燃料
運転モード 断続運転 断続運転 連続運転(参考情報
予想されるバーナ温度 約1,300℃ 約1,300℃ 約1,300℃
代表的な排ガス温度 約275℃ 約275℃ -
排ガス 湿りガス 135 m3N/h 173 m3N/h -
流量 乾きガス 121 m3N/h 155 m3N/h -
測定時間 105分間
(14:30~16:15)
95分間
(12:05~13:40)
15分間
(16:30~16:45)

b)採取したばいじんの外観写真

拡大写真はこちら

c)排ガスの代表的な分析結果

ダスト濃量 (g/m3N) 水分量 (%) 酸素濃度 (%) CO2濃度 (%) CO濃度 (ppm) T-HC濃度 (ppmC) NOx濃度 (ppm) SOx濃度 (ppm) SOx排出量 (m3N/h)
A重油 (断続時) <0.005 10.4 4.2 12.4 3 <10 67 230 0.03
エマルジョン燃料 (断続時) <0.005 10.3 6.2 11.0 4 <10 53 260 0.04
エマルジョン燃料 (連続時) 12.2 4.5 62
A重油(参照用、断続運転時)のオフガス計量結果の詳細はこちら
エマルジョン燃料(断続・連続運転時)のオフガス計量結果の詳細はこちら

5.A重油燃費性能試験

(データ引用:特許第4004181号)
「灰処理装置用の燃料の燃焼方法、灰処理装置用のバーナー及び灰処理装置」

試験条件

No 項目 試験区分 備考
還元水混合時 通常(水道水混合)時
ⅰ) 対象物 都市ごみ焼却飛灰 (塩素成分を含む)
ⅱ) 溶融試験装置 NK-100型表面溶融炉、エマルジョン燃料バーナー
ⅲ) 炉設定温度 1450℃
ⅳ) 燃料装置 燃料供給装置
還元水製造装置
ⅴ) 燃料装置 重油 A重油
ⅵ) 還元水 水道水
ⅶ) 混合比※ 体積比で95:5または85:15
ⅷ) 測定日 1999年10月
ⅸ) 測定場所 日本環境保全(株)新利根研究所

※エマルジョン燃料(乳化剤なし)のA重油:水の比率 還元水:電気分解によって酸化還元電位を低下させた水

燃費測定結果

従来の小型溶融炉による焼却灰溶融処理時の燃費は、一般に250~400(平均で約300)L/ton程度。
ここでは還元水混合操業時(表1)と、通常(水道水混合)操業時(表2)を比較

表1 還元水混合操業時の燃費データ

区分 日数 (日) 炉内温度 (℃) 焼却灰投入量 (Kg) 時間当投入量 (kg/h) 消費燃料 (L) ton当燃料 (L/ton) ton当A重油 (L/ton)
還元水混合時 5 1,490 40,992 820 6,400 156
5 1,465 23,660 473 4,325 183
5 1,497 33,936 679 5,126 151
4 1,474 29,260 732 3,673 126
3 1,463 30,436 1,015 2,914 96
5 1,380 25,480 510 3,708 146
5 1,369 27,692 554 3,927 142
5 1,458 58,740 1,175 4,283 73
合計 37 - 270,196 - 34,356 - -
平均 4.6 1,450 33,775 745 4,295 134 -

注)1日の稼働時間は約10時間

表2 通常(水道水混合)操業時の燃費データ

区分 日数 (日) 炉内温度 (℃) 焼却灰投入量 (Kg) 時間当投入量 (kg/h) 消費燃料 (L) ton当燃料 (L/ton) ton当A重油 (L/ton)
還元水混合時 4 1,449 5,460 57 2,911 533
11 1,454 17,434 66 9,070 520
14 1,429 40,400 120 9,922 154
3 1,387 13,776 191 2,569 186
4 1,395 20,412 213 2,924 143
4 1,339 22,568 235 3,245 144
4 1,418 19,572 204 2,937 150
6 1,450 70,504 490 4,915 70
4 1,407 22,008 229 2,787 127
2 1,420 11,536 240 1,192 103
2 1,461 7,168 149 1,346 188
4 1,420 7,364 77 2,043 277
合計 62 - 258,202 - 45,861 - -
平均 5.2 1,419 21,517 189 3,822 216 -

注)1日の稼働時間は約10時間

6.都市ごみ焼却飛灰溶融試験

試験条件

ⅰ)対象物 都市ごみ焼却飛灰
ⅱ)試験装置 表面溶融炉 NK-100
ⅲ)燃料 A重油:水=85:15のエマルジョン燃料(乳化剤なし)
ⅳ)測温装置 測温装置 炉出口:熱電対((型番:山里産業製 THERMOCOUPLE B熱電対(+脚Pt・Rh30% -脚 Pt・Rh6%)シングルエレメント 素線径φ0.5 JIS CLASS 3 (対象温度:~ 1700℃))
ⅴ)測定日 2020年10月9日~10月14日
ⅵ)測定場所 海外

飛灰溶融結果

ⅰ)炉内温度 1450℃~1500℃
ⅱ)通過風量 800 Nm3/h
ⅲ)製品の形態 溶融スラグ
ⅳ)スラグの化学組成 測定中
ⅴ)スラグの有機炭素量 測定中
ⅵ)スラグの溶出試験結果 測定中

飛灰溶融試験装置 NK-100

試験装置の構造

1.下段炉体の設置

2.中段炉体の吊込み

3.中段炉体の設置

4.組立終了後の溶融炉

溶融試験の状況

7.EM燃料・A重油燃料比較燃焼実験

試験条件

ⅰ)対象物 下記(EM燃料・A重油燃料比較燃焼結果)を参照
ⅱ)試験装置 NK-100
ⅲ)燃料 EM燃料(A重油87% + 水13%)乳化剤不使用
ⅳ)測定日 2022年3月17日~3月18日
ⅴ)測定場所 日本環境保全(株)稲敷研究所内

EM燃料・A重油燃料比較燃焼結果

拡大写真はこちら EM燃料及びアンモニア混合、及びA重油燃料燃焼実験

A重油(テスト4)と比較してEM燃料(テスト2)は、下記表のとおり約20%のCO2削減効果、約25%の燃料削減効果、さらにアンモニアEM燃料(テスト3)では、約25%のCO2削減効果、約33%の燃料削減効果を示しています。 また、グリーンエネルギーの活用に貢献できるよう、次世代再生可能エネルギーとして注目を集めている「水素・アンモニア」を利用した燃焼技術の開発を行っております。

EM燃料・A重油燃料比較燃焼実験データ一覧

テスト日 2022年3月17日 2022年3月17日 2022年3月17日 2022年3月18日
単位 テスト1
EM燃料
通常燃焼時
テスト2
EM燃料
解離燃焼
エアー減燃焼時
テスト3
アンモニアEM燃料
解離燃焼
エアー減燃焼時
テスト4
A重油
通常燃焼時
炉内熱電対温度 1500±10℃ 1500±10℃ 1500±10℃ 1500±10℃
燃料流量 ℓ/h 44.92 33.93 30.34 39.6
 上記重油量 87% ℓ/h 39.08 29.52 26.40 39.60
 上記水量  13% ℓ/h 5.84 4.41 3.94 0.00
ばいじん ℊ/㎥ 0.034 0.001 0.001 0.001未満
硫黄酸化物 volppm 5.3 5.5 4.6 5.5
窒素酸化物 volppm 17 16 37 29
アンモニア濃度 volppm - - 1.6未満 -
一酸化炭素 volppm 1.6 0.61 0.43 1.9
酸素 16.3 16.3 17 16.2
二酸化炭素 3.4 3.4 2.9 3.4
湿り排出ガス量 ㎥/h 2020 1490 1600 1890
乾き排出ガス量 ㎥/h 1920 1410 1550 1770
水分量 4.9 5.6 3.1 6.5
排ガス温度 173 157 146 173
二酸化炭素量 %×
乾きガス量
65.28 47.94 44.95 60.18
A重油に対しての二酸化炭素量削減率 8.47 -20.34 -25.31 0.00
A重油に対しての燃料削減率 -1.31 -25.46 -33.33 0.00
【規制基準値対比】 単位 測定結果
ばいじん ℊ/㎥ 0.0038 0.001 0.001 0.001未満
硫黄酸化物排出量 ㎥/h 0.010 0.0078 0.0073 0.0099
窒素酸化物 volppm 20 16 54 31
【規制基準値対比】 O2換算15% 規制基準値
ばいじん 0.2 0.2 0.2 0.2
硫黄酸化物排出量 ㎥/h 0.1170 0.1170 0.1170 0.1170
窒素酸化物 volppm 180 180 180 180
【規制基準値対比】 適否
ばいじん
硫黄酸化物排出量
窒素酸化物

※EM燃料(A重油87%+水13%)、アンモニアEM燃料(A重油87%+10%濃度アンモニア水13%)
※EMはエマルジョンの略語

実験の状況